今日30日の日経新聞電子版に掲載された
一条真也さんの『老年期は実りの秋である!』というコラムは、
これまで知らなかったことが書かれていて、とても勉強になりました。
まず、古代中国の思想では人生を四季にたとえ、
「玄冬」、「青春」、「朱夏」、「白秋」という五行説による色が
それぞれ与えられていたこと。
次に、それぞれの季節には「四神」と呼ばれるシンボルとなる霊獣がいて、
東西南北を守護しているとされていたこと。
具体的には、北を守る亀と蛇の合体は「玄武」、東を守る龍は「青龍」、
南を守る雀は「朱雀」、西を守る虎は「白虎」であること。
う~む…、なるほど。
このなかで私が知っていたのは「青春」と「白秋」ぐらいで、
そのほかは意味や由来を知らず、なんともお恥ずかしい限りです。
それよりもなによりも、一条さんの
古代中国には四季と方角と色と動物と人生とを対応させ合う壮大な宇宙観があり、
その宇宙観のフレームのなかに
「玄冬」、「青春」、「朱夏」、「白秋」という人生観、
すなわちライフサイクルがあったという解説に続いての
「白虎」に関する次のような文章が、私には大変参考になりました。
『少年期に亀や蛇のように地をはい回って努力を重ね、
知識と技術を得た青年期には龍のように飛翔し、
中年期にはスズメのように群がりさえずって世間をにぎやかに飛び回る。
そのようにして蓄積してきた「人生の実り」を高齢期にこそ収穫し、
純白な虚心でゆっくり味わい、かみしめる。
もはや些事(さじ)雑務にわずらわされることなく虎の如くに生きるべきなのです。
そして白き虎として天下を睥睨(へいげい)し、
ひと声ほえれば万衆注視というのが人としての理想なのかもしれません。』
私は、60歳を過ぎて「白秋」に入りました。
これからの余生が「実りの秋、収穫の時期」になるとともに、
白虎の如く「純白で虚心」な境地に達するような生き方をしたいものです。
(たぶん私には無理だとは思うけど、理想だけは高く持つことにします。)