Webサイトで、ニッセイ基礎研究所の
『学歴別に見た若年労働者の雇用形態と年収
~年収差を生むのは「学歴」か「雇用形態(正規・非正規)」か』
というレポートが紹介されていたので、さっそく同研究所のHPを覗いてみました。
レポートを読もうとしたら、
その要旨が簡潔に6つにまとめられていたので、とても助かりました。
この要旨のなかでも、私が気になったのは、次の3つの記述です。
・1990年代より大学進学率が上昇し、現在、男女約半数が大学へ進学するが、
同時期に非正規雇用者も増え、大学卒の2割、大学院修了の約1割が
不本意な理由で非正規雇用者として働いている。
・現在の労働者の年収は、学歴よりも、
正規雇用者か非正規雇用者かの影響の方が大きく、その状況は男性で顕著。
近年の日本社会では、学校卒業時の就職環境に恵まれるか否かが、
将来の経済状況や家族形成の可能性に大きな影響を与え、
大学を卒業しても必ずしも安定した仕事に就ける時代ではない。
・将来を担う世代における学校卒業時の
労働環境に起因する不公平感は是正されるべきであり、
「同一労働同一賃金」の実現や「最低賃金の引き上げ」などの議論を通じて、
若年非正規雇用者の待遇改善が進み、
受けてきた教育を十分に活かせるような労働環境を望みたい。
う~む……。
学校卒業時の就職環境に恵まれるか否かが、
その後の人生に大きな影響を与えるというのは、
本人の自助努力の範疇を越えていて、世の不条理を感じてしまいます。
私が就職活動をしていた昭和53年~54年頃も、
民間企業は就職難だったと記憶していて、そのせいか、
当時は公務員志向の学生が多かったように思います。(私もその一人です。)
でも、私も含め、友人は皆どこかの企業には正社員として就職し、
今のような「非正規雇用」はなかったように思います。
日本の将来を担う若い有為な人材が、社会に埋もれてしまうことがないよう、
要旨にも書かれているように、
「学校卒業時の労働環境に起因する不公平感は是正されるべきだ」と
私も痛切に感じました。