昨日に続いて、ニッセイ基礎研究所のレポートの話題です。
今日紹介するレポートは、先月31日付けの
『日本の潜在成長率は本当にゼロ%台前半なのか』というテーマです。
このレポートも、要旨が簡潔に4つにまとめられていて、
そのうちの2つには次のように書かれていました。
・日本の潜在成長率は1980年代には3~4%台だったが、
バブル崩壊後の1990年代前半に大きく低下し、
1990年代後半以降は概ね1%を割り込む水準で推移している。
日本銀行、内閣府、ニッセイ基礎研究所による直近の潜在成長率の推計値は
0.2%、0.3%、0.3%といずれもゼロ%台前半となっている。
・ゼロ%台前半とされている現在の潜在成長率は
あくまでも過去の日本経済を現時点で定量的に捉えたものであり、
将来の経済成長を決めるものではない。
少なくとも現時点の潜在成長率を所与のものとして
日本経済の将来を考える必要はない。
レポートを斜め読みしてみると、
現実の成長率を引き上げることは容易ではないけれど、
「潜在成長率が大きく低下しているという認識が広く浸透していることが
企業の期待成長率の低下、設備投資の抑制をもたらしているとすれば、
こうした悲観論を払拭することも現実の経済成長率の引き上げに
一定程度貢献する可能性がある」と書いてありました。
う~む……、よく分からないけど、そんなものなのかな?
要するに、「デフレマインド」は良くないってことなのですね?
ところで、潜在成長率といえば、
今日の日経新聞の「働く力 再興」という特集記事には、
「雇用の流動性が高い国は潜在成長率も高めになる」
という話の紹介があったあと、次のようなことが書かれていました。
『内にこもった人材を生かすにせよ、外から人材を引っ張ってくるにせよ、
企業には個々の能力を見極め、その能力をしっかり引き出す姿勢が求められる。
そして働きに見合う報酬を出す。
働き手の能力を最大限に引き出す企業が生き残る。』
二つの話題には、あまり関連性はないかもしれないけれど、
人間も経済も「成長する」のは大変なことだけは理解できました。