今月10日のこの日記で、米国大統領選挙を受けての
日経平均株価の大幅な下落という自分なりの予想が、
正反対の結果になったことについて、「理解不能のマーケット」と書きました。
すると、タイミング良く、今月11日の溜池通信「不規則発言」において、
「かんべえ」さんが、『不肖かんべえも、開票速報があった一昨日の夜に
日経CNBCの番組に出て、「あっ、なーんだ、これは。
明日のNY市場は暴騰するじゃないか」と気がついて拍子抜けした。
この辺の理屈、理解できない人が多いかもしれないので、
ちょっと説明をしておきます。』と述べられたうえで、
次のような分かりやすい解説をされていました。
以下、「かんべえ」さんの発言を、少し短めに整理してみました。
・一昨日(9日)、投票箱を開けてみたら「ドナルド・トランプ氏の当選、
議会は上院も下院も共和党」となった。
なおかつトランプ氏は極めて落ち着いた勝利演説を行い、
ヒラリーさんはとても感動的な敗北宣言を行なった。
アメリカ社会はとことん分裂しているわけだが、
信じられないくらいに後腐れがない結末となった。
・政権政党が上下両院を保有するのは、2009年~2010年以来。
共和党政権で最後にそうなったのは2001年の上半期の半年だけ。
今回はそれ以来、久々の事態であって、なおかつ上院は52対48となったので、
現在の多数は丸2年は続くだろう。
つまりトランプ次期大統領は、その気になれば何でもできちゃうということ。
・心ある人たちはこぞって「民主党政権はあと4年だけは続くよね」
ということを前提としていた。そうなると12年間も続くわけであって、
この間に企業や環境に対する規制がどんどん強化されることは目に見えていた。
それはまあ、「しょうがないわなあ」と思っていたのだが、
それらがこの際、ぜーんぶ吹っ飛ぶことになった。
さらには富裕層を含む減税をやってくれるということになると、
企業社会から見ると笑いが止まらないことになる。
・これはもう、「変化は買い」でありましょう。
「そうは言っても、トランプ政権の不透明性が…」などと口走る人は、
言っちゃ悪いけどマーケットの世界では「負け組」なんだと思う。
情があるなら今月今夜、スパッと買いに出なきゃあいけません。
・なおかつ、市場は「トランプ政権は放漫財政をやる」ということまで読み込んで、
長期金利が2%を超えた。今みたいに世界中がイールドハンティングを
やっているご時勢に、米国債の利回りが2%を超えるのなら、
「黙って買え」というのが賢者の態度というもの。
・米国の金利が上昇するのであれば、当然ドル買い円売り。
めぐりめぐって日本株も買い。マーケットの反応はある意味、健全なのだと思う。
う~む……、なるほど。マーケットとはそういうものなのですか……。
「かんべえ」さんによると、「マーケットの反応は健全」とのことですが、
私はある意味、「冷徹・非情」であるようにも思います。
まぁ、とにかく、「かんべえ」さんのおかげで、「理解不能」から一歩前進しました。