今月4日の「溜池通信・不規則発言」で「かんべえ」さんが、
ユーラシアグループの「Top Risks 2017」というレポートを紹介されていました。
今年のテーマは「The Geopolitical Recession」(地政学的不況)とのことで、
トップテンの順位は以下のとおりです。
1 Independent America (わが道をゆくアメリカ)
2 China overreact (中国の過剰反応)
3 A weaker Merkel (弱体化するメルケル独首相)
4 No reform (世界的な改革の停滞)
5 Technology and the Middle East (中東を脅かすテクノロジー)
6 Central banks get political (政治に侵食される中央銀行)
7 The White House versus Silicon Valley (ホワイトハウスvs.シリコンバレー)
8 Turkey (トルコ)
9 North Korea (北朝鮮)
10 South Africa (南アフリカ共和国)
このなかで、1番から9番までのリスクは、
この私にもなんとなく理解できるのですが、
なぜ10番目に南アフリカが入っているのかは、さっぱり分かりませんでした。
そこで、レポートの日本語版を読んでみると、
南アフリカでは国内政争があって、「域内の安全保障のための勢力としての
その伝統的な役割を損なう可能性がある」とのことでした。
う~む…、そうでしたか。原文を読むまで全く知りませんでした。
ところで、このレポートの前段部分では、
「2017年、世界は地政学的後退期に入り、
今年は、2008年の景気後退期に勝るとも劣らず重要な、
第二次大戦後で最も変動の激しい政治リスク環境の節目の年になる」
と書かれていました。
その一方で、「一抹の希望もある」として、次のようにも書かれていました。
『世界の課題の多くがいまだ対応されないままになっているのは、
緊張性を欠いているからだ。
政治がこれほどグローバル市場にとって重要だったことは
何世代にもわたってなかったことだが、それも今や広く受け入れられ、
自覚されるようになっている。世界の首脳たちの大部分は我々が
未曾有の歴史の中を生きていることを理解している。』
なお、先ほどの「かんべえ」さんは、
『1位から10位まで日本はまったくお咎めなし。
いや~、こんなにリスクフリーでいいんですかねえ。』とおっしゃっていました。
日本と日本人にとって、「緊張性に欠ける」のが1番のリスクかもしれません。