今日7日の日経新聞に掲載された
『市場の力学~個人投資家のナゼ㊥』の次のような記述を読んで、
自分にも思い当たる節があることに気がつきました。
『家計金融資産に占める株式や投資信託の割合は米国では半分近いのに対し、
日本では1割程度で多くは現預金。
日本人はリスク投資に消極的ということを示すデータだ。
だが見方を変えれば景色も変わる。
持ち家をリスク資産に含めて家計資産全体を計算し直すと、
リスク資産は4割強。米国の5割強と大差ない。
~(略)~
住宅ローンは家計を圧迫する。
貯蓄から負債を引いた純貯蓄は20~30代はマイナスで、40代でトントン。
株式などに回す余裕に乏しいのが「投資意欲が低い」日本の個人の実像だ。
60代では2千万円近い純貯蓄を持つがリスク志向は低くなる。』
さらに、記事では、金融リテラシーについての次のような記述もありました。
『ここで問題。大和総研によると、
株式を保有する世帯の割合が最も高い都道府県は東京都。では2位は?
金融リテラシー調査で同県は金融知識が全国トップだった。
「金融に関する知識の高さが、保有世帯割合の高さにつながっている」と
森駿介研究員は見る。
「高校卒業までかかる学費は」……。
最下位だった山梨県の高校では「金融出張教室」が開かれ、
生活設計の立て方などを説明している。
投資経験者の増加には金融知識の向上も欠かせない。』
う~む、なるほど……。
私も、株式や投資信託に関心を持ち出したのは、ここ数年のことです。
古い実家を壊し、家を新築して父と同居を始めたのが平成16年。
50歳を目前にしての決断でした。
そして、それ以降は、住宅ローンの返済が重く家計にのしかかり、
さらに、所属する自治体の財政悪化に伴う職員給与カットも重なって、
投資するどころか、老後に備えての貯蓄さえままならないのが
厳しい「現実」というものでした。
でも、記事が指摘しているように、
流動性が小さい持ち家をリスク資産に含めて家計資産全体を見ると、
私も「不動産」というリスク資産に、結果的に「投資」をしたのかもしれません。
その住宅ローンも退職金でほとんどは返済しましたが、
完済までにはあと数年を要するので、老後のキャッシュフローがとても心配です。
なお、先ほどの記事によると、
金融庁は昨年9月の「金融レポート」で、
「貯蓄から投資」としてきた表記を「貯蓄から資産形成」に変えたそうです。
記事が指摘しているように、
言葉を変えれば個人の意識が変わるというものでもないと思いますが、
私の場合は、もっと早く金融リテラシーを身につけておくべきだったと、
今頃になって深く反省しています。