安倍首相とトランプ大統領の日米首脳会談は、
果たして、うまくいったのか、うまくいかなかったのか……。
今日の新聞には、いろいろな人のいろいろな解説が掲載されていて、
全部の記事を読もうとすると、思わず尻込みしてしまう自分がいます。
そんななか、「かんべえ」さんが、「溜池通信・不規則発言」で、
日米首脳会談のポイント(メモ)を書かれていて、とても参考になりました。
そのポイント(メモ)の「総論」は、次のような内容でした。
『事前には極度に不透明だった首脳会談。
安保と経済で不明朗な「取引」が行われる怖れもあった。
(例:尖閣を守ってほしければカネを払え)。
ところが終わってみれば、日本側の「満額回答」。
安保は安保、経済は経済で議論がかみ合っていた。
これで次からは普通に日米首脳会議ができる。』
う~む、なるほど……。
「かんべえ」さんの評価では、どうやらうまくいったようですね…。
明日からの市場経済も、しばらくは平穏に推移するような気がします。
ところで、今日の朝日新聞「折々のことば」は、デイヴィッド・ヒュームの
『情念の衝動に対立したり阻止したりできるのは、ただ反対の衝動だけである。』
という言葉で、いつものように鷲田清一さんの次のような解説がありました。
『政治上の対立はよく理知と感情のそれとして語られる。
が、理知は感情に優越するものではないと英国の哲学者は言う。
理知は、人の判断は導けても意志そのものを動かすことはできない。
意志を動かすのは情念であり、例えば嫌悪や憤りといった激しい情念を
憐憫(れんびん)や慈しみという穏やかな情念が凌(しの)ぐとき、
それが「精神の強さ」なのだと。「人間本性論」(石川徹ほか訳)から。』
う~む……、実にタイミングがいい言葉です。
激しい情念を持つトランプ大統領と「お付き合い」をするためには、
安倍首相にはきっと「精神の強さ」が求められるのでしょうね……。