今日は、お天気はあまりよくなかったけれど、暖かい一日となりました。
それもそのはず、関東地方では「春一番」が吹いたそうです。
こうして日記を書いている今現在も、暖房の必要がないほど部屋は暖かいです。
さて、愛媛新聞では、
俳人・神野紗希さんによる『日めくり子規・漱石』の連載が続いています。
最近、私が印象に残ったのは、今月13日に掲載された漱石の
『鶴獲たり 月夜に梅を 植ん哉』という句です。
俳句に素人の私は、最初この句を見た時に、
どういうことを詠んでいるのか、さっぱり分かりませんでしたが、
神野さんの次のような解説を読んで、ようやく理解することができました。
『「梅妻鶴子(ばいさいかくし)」とは、俗世を離れた風雅な隠遁生活のたとえ。
湖のほとりで、梅を妻に、鶴を我が子に見立て、
一人清らかに暮らした、北宋の詩人・林逋の故事からきている。
〈梅白し 昨日ふや鶴を 盗まれし〉、
白梅が見事だが鶴が見当たらぬ、昨日盗まれたのか、と故事を踏まえ梅をほめた。
あとは梅さえ植えれば、梅妻鶴子の生活が叶う。』
う~む…。(絶句) 漱石の句の背景に芭蕉の句があるとは……。
漱石をはじめ、明治人の教養の深さに脱帽です。
それにしても今回、「梅妻鶴子」という格調の高い四字熟語を初めて学びました。
俗世を離れた風雅な隠遁生活に私も憧れますが、
どうやらその隠遁生活を送るためには、「豊かな教養」が必要不可欠のようです。