そこで、いつもより時間をかけて電子版に目を通していたところ、
日経新聞電子版の「マネー底流潮流」に、著名投資家、ウォーレン・バフェット氏の
「潮が引いて初めて誰が裸で泳いでいたかが分かる」という言葉ありました。
どういう意味なのか興味が沸いて、記事の続きを読んでみると、
米国をはじめ、カナダ、ユーロ圏、英国など主要国が金融緩和の縮小に転換し始め、
市場でも、緩和に支えられた資産を敬遠する動きが広がっているとのことで、
具体的には、次のようなことが書いてありました。
『資産価格は金利の影響を大きく受ける。
金利が低いと借り入れコストが低下するため、資産に求める収益も下がり、
高い価格での投資が許容されやすい。
金融危機から8年も低金利が続き、あらゆる資産の価格は高くなってしまった。
金利が上がれば、資産から得られる収益も増えないと、価格は下がってしまう。
下がりやすい資産はどこか。「緩和依存度」での選別が始まった。』
う~む……、これってどういうことなのかな…?
金融政策の知識が乏しい私は、記事の意味がよく分かりません。
そこで、関連記事を電子版で閲覧していると、
今月15日の記事に次のような解説を見つけました。
『米欧が金融政策を転換するのは、
過剰なマネーの供給で不動産などの資産価格が
跳ね上がるリスクが高まっているからだ。
超低金利状態をつくって金融機関や企業をよりリスクの高い投融資に誘導した結果、
カナダでは都市部の住宅価格が金融危機前の2倍に上昇。
米国でも商業不動産価格は危機前の1.3倍に跳ね上がり、
中国・上海の住宅価格は平均年収の20倍と、バブル期の東京を上回る水準だ。』
『未曽有のマネー供給にもかかわらず各国の消費者物価の伸びは鈍く、
出口の手綱さばきを誤れば物価の腰を折る懸念がある。
米国は1~6月期の新車販売は8年ぶりの前年割れに転落。
利上げ後の自動車ローンの貸し渋りが追い打ちをかけた。
「金融緩和の本質は結局、需要の先食いでしかない」と中銀首脳OBの一人は語る。
景気をかろうじて浮揚させてきた緩和マネーの縮小は大きなリスクと裏腹だ。』
う~む、なるほど……。
金融緩和の本質って、「需要の先食い」なのですね。
金融政策正常化の道が険しいことだけは、なんとか理解できたように思います。
それにしても、冒頭のバフェット氏の言葉は強いインパクトがありますね。
この言葉を、私でも使えるような場面は、どこかにないものかしら……?