書店が地域に1店舗もない「書店ゼロ自治体」が増えているという記事を読みました。
出版取り次ぎ大手によると、
香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区にのぼり、
全国の自治体・行政区(1896)の2割強を占めるそうです。
ちなみに、全国の書店数は1万2526店で、
2000年の2万1654店から4割強も減ったとのことでした。
次のようなことが書かれていました。
『人との出会いと同じく、本との出会いにも偶然のおもしろさがある。
目当ての本を探して歩く図書館でばったり。友人の本棚でばったり。
そして本屋さんの店先で、手招きする本がある。
大きな書店でなく「本や」という雰囲気を持った小さな店が好きだと、
詩人の長田(おさだ)弘さんが書いている。本の数は少ないけれど構わない。
「わたしは『本や』に本を探しにゆくのではない。
なんとなく本の顔をみにゆく」のだから。
小さい店だから、ほとんど全部の棚をのぞく。
自分の関心の外にある本、予期しなかった本がある。
とくに夜、静かな店で「まだ知らない仲の本たちと親密に話をするのは、
いいものだ」。そして1冊を買う。』
う~む、なるほど……。
「本の顔をみにゆく」という行為は、私はとてもよく理解できます。
おかげさまで、我が家の自宅近くには、 国道沿いに郊外型の書店が立地していて、
休みの日には買い物帰りに、その書店に立ち寄るのが「習性」になっています。
特定の本を買う目的で立ち寄ることは少なく、
ただただ、本をぼんやりと眺めているのが至福の時間です。
そして、時々、「本の顔」に誘われるように、その本を買ってしまいます。
なお、先ほどの記事には、 作家で、文字・活字文化推進機構(東京)副会長、
阿刀田高さんの、次のようなコメントもありました。
『書店は紙の本との心ときめく出会いの場で、知識や教養を養う文化拠点。
IT時代ゆえに減少は避けられないが、何とか残していく必要がある』
私の街から「心ときめく出会いの場」が消えることがないよう、
アマゾンだけに頼らず、街の書店の売上げにも貢献しなければなりません。(笑)