しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

映し出された心情

毎週日曜日、愛媛新聞の一面に掲載される「ふるさと伝言」。

今日3日は、愛媛県四国中央市出身で、棋士の森信雄七段が、

『写真と旅』と題するエッセイを寄稿されていました。

 

森七段は「将棋世界」という専門誌に

「風景」と題して旅の写真を毎月連載されていたそうですが、

今回のエッセイのなかにも、写真に関する次のような含蓄あるお言葉がありました。

 

・写真で何を撮りたかったのかを自問自答すると、

 過去の自分を映し出す、今の自分と違う人生の日々、

 あるいは出会ったことのない人のぬくもり、

 そういう郷愁感や幻を写したいのかなあと思う。

・最近はカメラを持って旅することが減ってしまった。

 遊牧民のような「ヨコ型」の生活から、

 定着して暮らす「タテ型」の日々に変わっている。

 「ヨコ型」の暮らしへの憧れは消えないが、余生(?)はタテ型の人生を全うする

 ことになりそうな気がする。

・写真は人の歴史であり、映し出された心情でもあるなと思う。

 

さて、私はというと、デジカメを一台持っていて、

この日記に海岸に沈む夕日を不定期に投稿することがありますが、

写真が趣味というものではありません。

人生のある瞬間に見た美しい夕日を自分が忘れないように

デジカメに残しておきたいとの思いだけです。

でも、森さんのエッセイを読んで、写真は奥が深いことを知りました。

 

「写真は人の歴史であり、映し出された心情でもある」と森七段は言われていました。

海岸に沈む夕日の写真には、私のどのような心情が反映されているのか……。

本人はまったく気づいていないけれど、

その時々の自分の気持ちが、写真にはしっかりと映し出されているのかもしれません。