しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

分岐するいくつもの道

今日18日の日経新聞に掲載されていた、

EPSONの全面広告を眺めていたところ、そこでページをめくる手が止まりました。

その広告には、作家・村上龍さんが、『「時」が示す、新しい道』というタイトルで、

次のような自筆のショートエッセイを書かれていました。


『自由とは、選び取ること。迷いは、常にある。目の前には、分岐するいくつもの道がある。

 誰も通ろうとしない、もっとも険しい道を選ぶ。立ち止まったり、戻ったりしない。

 進むうちに、「時」が刻まれるのがわかる。

 懐かしい感覚、こうやってこれまでも進んできた。

 そして、時の流れとともに、「これが、新しい道だ」と気づく。』


このショートエッセイを読んで、亡くなった母方の伯母のことを思い出しました。

終戦直後に、旧満州から命辛々引き揚げてきた伯母が、

子供の頃の甘ったれた私に、いつも説いていた言葉に、

『しんちゃん‥、あなたのこれからの人生で、道が二つに分かれて迷ったときには、

 苦しい方の道を選びなさい。楽な方の道を選んで、後々、後悔しないように‥‥』がありました。


果たして私は、この伯母の言葉を、忠実・誠実に守った人生を送ってきたのだろうか‥‥?

自問すると、「忸怩たる思い」があります。