日経新聞では、日本取引所グループ前最高経営責任者・斉藤惇さんの
「私の履歴書」の連載が続いています。
その第19回目の今日の内容は、斎藤さんが社長として就任し、
2003年4月に発足した、産業再生機構のことについて書かれたものでしたが、
読み進むうちに、次の箇所で目が留まりました。
『 ~(略)~ 業務の力点を買い取った債権管理ではなく企業再生に置く以上、
スタッフにも特別の知見や技量が必要となる。
準備段階の再生機構には銀行から多くの出向者がいたが、
「これは違うな」と直感して銀行に帰っていただいた。
そのかわりに、コンサルティング会社や監査法人、法律事務所などから
幅広く人材を募ることにした。
ピーク時には200人をゆうに超える人員が、様々な再生プロジェクトを抱えて働いていた。
再生機構は5年間で活動を終了して解散することが決まっていた。
しかも、公的な組織なので給料もたいしてはずめない。
そんな所に年俸1億円ともされる専門家が結構、来てくれた。
「一体、なぜ?」。何度か尋ねたことがある。
「国が大変な時なのだから、プロフェッショナルとして力を尽くすのは当然」。
彼らの答えはほぼこんな感じだ。私心というものがなかったのだ。』
う~む‥‥‥。思わず背筋がピンと伸びました。
「国難に際して、国を支える」という、ブロフェッシナルとしての志の高さに脱帽です。
まるで稲盛和夫・京セラ名誉会長の『動機善なりや 私心なかりしか』の世界のようです。
さて、いよいよ明後日は衆院選挙の投票日‥‥。
私心なく、国家のために身を捧ぐ候補者に、私は一票を投じたいです。