しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

矛盾のなかで生きること

今日11日は、第二土曜日です。

ということで、今日は夕方から恒例の漢方薬草湯「元気人村」に行ってきました。

サウナでたっぷりと汗を流してから、ぬるめの漢方薬草湯に身体を浸し、

火照った体を冷やすために露天風呂へ‥‥。

渚に寄せるさざ波の音を聴き、夜空を見上げて輝く星を眺める‥‥。

私にとっては至福のひと時で、心も身体もリフレッシュできる瞬間です。


さて、『カフカはなぜ自殺しなかったのか?~弱いからこそわかること』

(頭木弘樹著:春秋社)を読了しました。

頭木さんの著作を読むのは、『絶望名人カフカの人生論』(新潮文庫)に続いて二冊目となります。

この本のなかでもカフカの名言がたくさん紹介されていましたが、

私が選んだ一番の名言は次の言葉でした。

『なんらかの矛盾のなかでのみ、ぼくは生きることができる。

 もっとも、これは誰でもそうなのだろう。

 人は、生きながら死んでいき、死にながら生きていくのだから』


そして、この後、頭木さんの解説が次のように続きます。

『「決断した人」の人生について知ることも、もちろん私たちの人生にとって大いに参考になります。

 しかし、「決断しなかった人」の人生について知ることも、

 また私たちの人生に大いに参考になると、私はカフカの人生を追っていて思いました。』

なお、「したいけど、したくない。したくないけど、したい」という永遠の葛藤は、

カフカの重要な特徴であると、頭木さんは本書の別のページで述べられています。


ところで、村上春樹さんの著書に「海辺のカフカ」(新潮文庫)という小説があります。

この小説の内容を思い出すことはなかなかできませんが、題名だけは忘れたことはありませんでした。

その「海辺のカフカ」の写真が、この本の巻末に掲載されていたのにはびっくりくました。

父親と二人で海辺で写っている31歳のカフカは、にこやかに笑っているようです。

「いつも死にたがっていた男」には私にはどうしても見えませんでした‥‥。


それはともかくして、優柔不断で精神力の弱い私を、

「大丈夫‥、そのままで生きていていいよ‥」と、この本は励ましてくれるようです。

カフカはなぜ自殺しなかったのか?: 弱いからこそわかること

カフカはなぜ自殺しなかったのか?: 弱いからこそわかること