ビデオに録画しておいた今月2日放送の「カンブリア宮殿」を見て、
改めて流通業におけるコンビニという業態の存在感を認識しました。
番組ゲストは、澤田貴司・ファミリーマート社長でした。
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2017/1102/
番組のなかで澤田社長が語られた言葉で、強く印象に残ったものが二つあります。
その一つは、「1000ページある店舗マニュアルを100ページにしてほしい」といもの。
この言葉に重みがあるのは、澤田社長が社長就任前に、3週間の店舗実習を自ら体験され、
現場スタッフの日常業務がいかに大変であるかを理解されているからです。
もう一つは、「スタッフは茶髪でも鼻ピアスでも採用されるのか?」という村上龍さんの質問に、
「たぶん大丈夫でょう」に続いて出た「これからは多様性の時代。変わらない方が危険」というもの。
コンビニ業界三位のファミマは、サークルK・サンクスと経営統合を行い、
店舗数ではローソンを抜いたそうですが、現場重視の澤田社長の下で、
商品力強化戦略などを通じて、ファミマがどのような変貌を遂げていくのか、
なんだかとても楽しみな存在に思えるようになりました。
ところで、私といえば、もちろんコンビニのお世話になっています。(もっぱらセブンですけど‥‥)
朝の出勤前にはおむすび弁当を買ったり、仕事の帰りには、翌日の食パンを買ったり‥‥。
そして、年老いて足腰の弱くなった自分の将来を想像してみるに、
その時の「頼みの綱」は、自宅まで商品を届けてくれるネットスーパーと
自宅から最も近くに立地し徒歩でも行けそうなコンビニではないだろうか、と思っています。
番組の編集後記で村上龍さんは、次のように述べられていました。
『コンビニは、すでに社会インフラになっている。
澤田さんを迎え、3強と相対したことになるが、共通認識があった。
「市場はまだ飽和状態ではない」3社とも、そう確信している。
巨大市場だが、商圏、店舗ごとの、細やかで、多様性のある努力・工夫の積み重ねが、
競争を制する。』
流通業としての本来業務に加え、災害時における食料・日用品の提供や地域の防犯対策、
あるいは地域住民の交流の場など、「社会インフラ」としての役割が期待されている限り、
コンビニという業態は飽和状態にはならないのではないか、
番組を見て私もそのように考えた次第です。