しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

日記が書ける有難さ

今月22日の深夜から急性前立腺炎の症状が発症し、三日三晩、高熱に浮かされました。

点滴と投薬による治療で、今日ようやくこの日記が書けるまで回復しました。


寝床に臥せりながら、名コラムニスト・深代惇郎さんの

天声人語」を眺めている(「読む」というレベルではありませんでした)と、

昭和50年9月19日に、俳人正岡子規のことが書かれていました。


『短い後半生は、体中にキリで穴をあけらるような激痛にさいなまれつづけた。

 その「墨汁一滴」には「人の希望は初め漠然として大きく、後漸く小さくなる」と書いている。

 はじめは、せめて庭を歩きたいと思った。

 つぎに、歩けなくても立つことさえできればと思った。

 やがて立つことはかなわぬとしても、座りたいと望んだ。

 今は、座ることはできなくても、一時間なりと安らかに寝たいと思う、といっている。』


死ぬ八か月前から、ほとんど危篤状態であったにもかかわらず、自らの志に生きた子規‥‥。

そんな偉大な子規の事例を持ち出すことは憚られるけれど、

毎日元気で日記が書けることは、実はとっても有難いことなんだと、

深代さんの「天声人語」の名文を眺め返して、改めて自覚できたように思います。