ビデオに録画していたNHKEテレ「100分de名著」、
『ノートル=ダム・ド・パリ』の最終回を見て、並行してテレビテキストも読み終えました。
番組指南役は、フランス文学者で明治大学教授の鹿島茂さんでした。
「ノートル=ダム・ド・パリ」は、「レ・ミゼラブル」と並ぶ、
19世紀フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの代表的な長編小説で、
どちらも映画やミュージカルなどに翻案されて人気を博したとテキストに書かれていましたが、
その以上の知識は持ち合わせていませんでした。
今回、テレビとテキストで、ユゴーの生い立ちやその作風・思想などを知ることができ、
私にとってはまた一つ、新しい世界への窓が開かれたような気がしています。
テキストでは、たくさんの印象に残る記述がありましたが、
その中の一つを次のとおり書き残しておきます。
『ユゴーがこのように民衆に迎えられ(国葬のことを指します)、
「ノートル=ダム・ド・パリ」や「レ・ミゼラブル」が
いまでも世界中の人々に親しまれているのは、やはり社会の弱者に対するユゴーの愛と共感が
他の人にはない独創的なものだったからではないでしょうか。
人はもらった分しか愛を人にあげられないといわれます。
心理学でアダルト・チルドレンなどと呼ばれているのがこの法則の生み出す人間関係です。
つまり、愛を受けずに育った人は、たとえ結婚して子供ができても、
子に愛を伝えることができないので、その子も愛情の薄い人間に育ってしまい、
また同じサイクルが繰り返されて、
この悪循環の末に弱肉強食の世界になつてしまうというものです。
この悪循環を断ち切るには、誰か最初に見返りを期待せずに
愛を与える人が現れなければならない。
ユゴーはそう考えて、現代のキリストであるジャン・ヴァルジャンを創造しました。
「ノートル=ダム・ド・パリ」では、愛の連鎖がうまくいかず、悲惨な結果が導かれました。
しかし、この作品もまた、見返りを考えずに無償の贈与として愛を与え、
誰かがまず良き連鎖を始めなければならないというユゴーの思想を
反映したものではないでしょうか。』
ところで、このところ暖かくなったのはいいけれど、
今日のお昼過ぎから、アレルギー性鼻炎による、くしゃみと鼻水が止まらなくなりました。
花粉が飛散しているのでしょうか?
自分で制御できない身体がもどかしく、なんだか情けない気持ちになります‥‥。
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