しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

なぜ哲学なのか??

ドイツの若手哲学者マルクス・ガブリエルの

『なぜ世界は存在しないのか』という本が売れているそうです。

朝日新聞デジタル版では、哲学者の千葉雅也さんが、

昨今、出版界で哲学ブームが起きていることについて、論評を寄稿されていました。

そこでは、「なぜいま哲学なのか」が、次のように解説されていました。


フェイクニュースにまみれ、加速するグローバル経済に翻弄(ほんろう)されて

 不安定な生を送る現代人は、何か確実なものを求めている。

 一方で、科学だけでは何か足りないという漠然とした不安がある。

 科学は生活を劇的に便利にしたが、科学的分析の力によって我々はますます厳密に管理され、

 統治されるようになっている。他方で、宗教に頼るのでも足りない。

 宗教に基づく非合理的な情念は、深刻な対立を引き起こしてきた。

 おそらく現代人は、科学でも宗教でもない「別の真理の領域」を求めている。

 その候補が哲学なのだ。哲学に、この時代の不安を託そうとしているのである。

 20世紀後半の「ポスト構造主義」(フランス現代思想)の後、

 いわば「ポスト・ポスト構造主義」の段階における現代思想では、

 「実在論」が大きなテーマになっている。

 実在論とは、事物がそれ自体として存在すると認め、事物を客観的に記述できるとする立場だ。

 事物の実在は、常識的には当然のことだと思われるかもしれないが、

 実は厳密に哲学的に主張するのは簡単ではない。

 今日、そうした実在論の本質が問い直されている。』


う~む、なるほど‥‥。

科学でも宗教でもない「別の真理の領域」が哲学というのは、ストンと落ちる説明ですね‥‥。

私は、科学はどちらかといえば苦手な分野だし、かといって宗教はというと、

ちょっと身構えるところがあります。

また、解説にある「実在論」となると、私にはチンプンカンプン分かりません。


ただ、時代の不安を託す候補が哲学だとすると、私にも心当たりがあります。

最近は、池田晶子さんや神谷美恵子さんの本に、救いや慰めを求めるようになりました。

ちなみに、池田晶子さんには、『「人生いかに生くべきか」と悩んでいるあなた、

あなたは人生の何をわかっていると思って悩んでいるのですか。』という問い掛けがあります。

「悩むな、考えよ」との教えです。ご参考までに‥‥。

幸福に死ぬための哲学――池田晶子の言葉

幸福に死ぬための哲学――池田晶子の言葉

追記 明日は職場の送別会です。そのため、この日記はお休みの予定です。