昨日3日の朝日新聞デジタル版「波聞風問(はもんふうもん)」に、
原真人・編集委員が『公文書改ざん 財務省悪玉論に走る愚』というタイトルで
次のようなことを書かれていました。
『森友学園との国有地取引に関する公文書改ざん問題で、財務省への批判が高まっている。
一部では同省の解体論さえささやかれはじめた。
省内の不正がきっかけとはいえ、安倍晋三首相からもっとも疎まれ遠ざけられてきた財務省が、
政権を守る盾となった疑惑で集中砲火を浴びるのは、何とも皮肉な話である。
~ (略) ~
欧米諸国では近年さまざまな予算改革が実施されている。
主要国最悪の借金大国である日本もそこから学び、採り入れるべきものはあるかもしれない。
とはいえ、いまのような「財務省悪玉論」に乗って
同省の権限を弱めることを目的に機構改革に乗り出すのでは、いかにも危うい。
財政当局とはいわば「宴会幹事」のようなものだ。出席者たちがみな泥酔してしまっても、
ひとり冷静に勘定を終え、会費を徴収しなくてはならない。
無粋で、嫌われ者になったとしても、欠かせない大切な役回りなのである。
かつて自民党税制調査会のドンと呼ばれた故山中貞則氏は会が紛糾すると、
「黙れ」と制して幹部たちをこう諭したという。
「ここにいる大蔵省(現財務省)主税局の諸君の話も聞きたまえ。聞かずに決めたら、国を誤るぞ」
改ざん問題の余波で、来年10月予定の消費増税の実施が
難しくなったとの見方も出ている。財務省にお灸(きゅう)をすえたいと思うあまり、
世論がそんなムードに乗ってしまえば、まさに国を誤る。
消費増税は財務省のためでなく、国民生活の安定のために欠かせないものだ。
冷静な世論が求められる。』
う~む、なるほど‥‥。
私は時々、原さんは、本当に朝日新聞の編集委員なのかと思うことがあります。
というのも、原さんが書かれる論評は大いに納得することが多く、
昨日の論評も、まさに原さんのご指摘のとおりだと思いました。
また、財務当局の「宴会幹事」という表現も、とても分かりやすい「たとえ」でした。
今後始まるであろう消費増税論議には、「冷静さ」を期待したいと思います。
このまま世論に流されると、本当に国を誤りそうで、なんだか怖いです‥‥。