今月の12日と14日に書かれた岡本全勝・内閣官房参与のHPが大変勉強になりました。
まず、12日には、吉川洋・立正大学教授が4月23日の読売新聞に書かれた
「豊かな21世紀 ケインズ予測現実と落差」を、次のように紹介されていました。
『‥‥1930年、経済学者ジョン・メイナード・ケインズは
100年後の世界がどんな社会になるか予測した。
大不況の最中、多くの人は世界経済の将来に悲観的だったが、
ケインズは「われわれの孫たちの経済的可能性」と題するエッセーで、
21世紀前半の世界に楽観的な見通しを述べた。予測のうち、一つは当たり、一つは外れた。
当時、最も豊かな国だったイギリスでも、
100年後には生活水準がさらに4倍ないし8倍まで上昇するだろう。
21世紀、人々は信じられないほど豊かになっているに違いない。この見通しは当たった‥‥
では、外れたのは何か。
‥‥100年後には、人々の暮らしは想像もつかないほど豊かになっているから、
およそ「経済」の問題はすべて解消してしまうだろう。
人々は週5日、1日3時間働けば十分になっている。
作り出すモノはあり余っているから、人々は豊かさの中で倦怠に悩まなければならない。
何かを手にしたいという欲望を基にした経済の問題は消え去っている。
二つ目の予想は完全に外れた‥‥』
そして、14日には、「なぜ、ケインズは誤ったか」について、
岡本参与は「ケインズは次の2つのことを忘れていた」と指摘されていました。
・1つは、人間の欲望には限りが無いこと。
ここには、2つの無限があって、その1つは、各人の欲望に限りが無いこと。
もう1つは、科学技術の進歩によって、新しい欲望の対象が生まれること。
・2つめは、人は他人との差を求めること。
人には、他人より抜きんでたいという願望があること。
う~む、なるほど‥‥。ケインズの二つ目の予想が当たっていれば、
今ごろ私も、1日3時間だけ働いて、倦怠感を抱きつつも、
それなりに悠々自適の生活を送っていたのでしょうね‥‥。
また、岡本参与ご指摘の「人間の欲望には限りはない」
「他人より抜きんでたい」というのは、よく分かるような気がします。
そうであるならば、未来永劫的に、「欲望を基にした経済の問題」は
消え去ることはないのでしょうね‥‥。果たして今から100年後は、どんな世の中なのかな??