しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

六法がない家

今日28日の日経新聞電子版「スグ効くニュース解説」によると、改正商法が5月18日に国会で成立し、

「六法」の条文がようやく全てひらがなの口語体になるとのことでした。

「ずいぶん遅いのでは?」という印象が持たれることについて、次のような解説がありました。


『毎年成立させる必要がある予算や放っておくと期限が切れる法律は、

 国会で比較的スムーズに審議が進みます。

 しかし、それ以外は政権が掲げる最重要課題か、次の選挙で票につながりそうな政策でなければ

 法案の審議がずるずると先延ばしになっていきます。

 そもそも国民生活や行政執行にすぐ支障が出るわけではない「急がない課題」は、

 政府や与党内で法改正の優先順位がなかなか上がりません。

 ~ (中略) ~

 「六法」と呼ばれる基本法は、憲法民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法です。

 1947年施行の現憲法は全て口語体が使われ、新時代の到来を国民に印象づけました。

 明治以来の他の法律は文語体で、戦後になって改正のたびに口語体に切り替えました。

 民法は「親族」「相続」など編ごとの大幅改正に合わせて口語体になりました。

 六法のなかで文語体として最後に残っていたのが、

 今回改正した商法の運送に関する取引規定だったというわけです。改正商法は2019年にも施行予定です。

 明治以来のカタカナ・文語体の条文は法律家以外には意味が分かりづらく、

 特に基本法はもっと早く平易な現代語に書き換えるのが立法府法務省の責任だったと思います。

 近年の改憲論議の中で「現憲法の旧仮名遣いの表現は分かりにくいので改正すべきだ」

 との声が出ているのは、時代の移り変わりを感じます。』


以上、懇切丁寧な解説がありましたが、坂本英二・編集委員の結論は、

『政府・与党は「急ぐ法律」と「票につながる法律」の審議を優先しがちで、

 古い法律を平易で分かりやすい表現に改める努力を後回しにしてきました。』というものでした。


う~む‥‥、そんなものなのかな‥‥。ちょっとがっかりです。

ところで、私も一応、大学は法学部出身なのですが、

今、我が家には、大学時代の法律専門書をはじめ、「六法」と名の付く書籍が一冊もありません。

それで間に合っているということは、

家庭では、「六法」のお世話になることが、ほとんどないということだと思います。

「六法」がない家‥‥。これはこれで、ちょっとどうなのか‥?

政府・与党だけを責めるのは、少し酷なような気がしてきました。