今月27日の日経新聞「遊遊漢字学」を読んで、
なぜ虫ではない「虹」や「蛸」に、虫ヘンがついてるのかを知りました。
漢字学者・阿辻哲次さんの解説は、次のようなものでした。
『「虫」という漢字を昔は「蟲」と書いたことは、年配の方ならよくご存じであろう。
要するに新字体と旧字体のちがいだが、しかしもっと古くは、両者はまったくちがう漢字だった。
いま私たちが「むし」という意味で使う「虫」は、
本来は毒蛇である「まむし」を意味する漢字だった。
「虫」は頭の大きな蛇の形をかたどった象形文字で、音読みは「チュウ」ではなく「キ」。
その「虫」がやがて「まむし」から意味が広がって、さまざまな小動物を表すようになった。
それに対して「蟲」(音読みは「チュウ」)は、その《虫》を三つ組みあわせた形で、
こちらは古くからもっぱら「むし」という意味で使われてきた。
両者はそのように別々の漢字だった。
それがいつの間にか「蟲」の簡略形として「虫」と書かれるようになり、
やがて「虫」が日本でも中国でも「むし」を意味する正規の漢字となった。
《虫》ヘンがついている漢字が昆虫だけに限らないのは、以上のような理由による。』
う~む、なるほど‥‥。
だから、「蛸」(たこ)や「蛤」(はまぐり)、「蝦」(えび)のような水中の小動物にも
虫ヘンがついているのですね。
でも、自然界の現象である「虹」は、どうして虫ヘンがついているのかな‥?
その答えは、「虹」はかつて山から山にわたる大きな龍と考えられたので、
虫ヘンがついていとのことでした。
ふむ、ふむ‥‥。大昔の人は虹が龍に見えたのですね。漢字は奥が深いことが分かりました。
今回知ったことを孫娘にも教えようと思いましたが、
小学一年生で習う漢字は「虫」まででした。まだちょっと早いようなので、いつかまた‥‥。