今日の日経新聞「オピニオン」欄の「創論」は、
「きしむ政と官、どう立て直す」というタイトルで、
官僚による政治への忖度(そんたく)が問題となっているなか、
「行政が政策を提案し執行する力を高め、
政治との望ましい関係を築くにはどうしたらいいのか」について、
問題の所在と処方箋を、石原信雄元・内閣官房副長官と武藤敏郎・元財務次官に
インタビューした記事でした。インタビューに対するお二人の答弁のなかで、
それぞれ一番印象に残ったものを一つずつあげるとすれば、私は次の二つを選びます。
『役人が萎縮してしまっている。
こういうことを政権に言ったら嫌な顔をするだろうと思って言わないのは怠慢だ。
国民の声は業界団体など特定の人については強く出る。『物言わぬ国民』というのがある。
国民の悩み、国民が抱えている問題を最もよく知っているのが、
地方自治体の担当者であり、中央省庁の役人だ。
役人はそれを政権担当者に伝える使命がある。』(石原信雄元・内閣官房副長官)
『官僚の役割は2つある。内閣の補助者として政治の政策決定過程に参加することと、
全体の奉仕者として行政を中立な立場で執行していく責任だ。この基本に立ち返るのが大事だ。
忖度の意味が政権の意向を十分に考慮しろという意味では昔からあったと思う。
もし政権に追従しろということまで意味するとすれば、
官僚として十分に役割を果たしていないと言わざるを得ない。
何をしたら国の将来のためになるのかの説明責任を果たすことが大事だ。
そのうえで政治の判断に従う。それが「官僚道」だろう。』(武藤敏郎・元財務次官)
う~む、なるほど‥‥。お二人のご指摘のとおりだと思います。
そういえば、武藤さんの「官僚道」という言葉で、「吏道(りどう)」という言葉を思い出しました。
以前、この日記でも、「上天は欺き難し」というタイトルで雑文を書いたことがあります。
その時に引用した言葉を、再びこの日記に書き残しておきたいと思います。
『時代が移っても、公務員が肝に銘ずべき言葉は「不変・不滅」なのかもしれません。
曰く、「上天は欺き難し」‥‥。』
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