昨日は飲み会で、この日記はお休みしました。
大学OBの集まりで、皆で「都の西北」を久しぶりに歌って帰りました。とても楽しかったです。
さて、『読売新聞朝刊一面コラム~竹内政明の「編集手帳」傑作選』
(中公新書ラクレ)を読了しました。
私は、竹内さんのコラムは、最後の1~2行に、人の心を打つ、
そして、いつまでも余韻が残る、魅力的な文章が配置されていると感じています。
例えば次のような‥‥。
・稼いだ勝ち星の数や、浴びた拍手喝采の数だけでは、〝重み〟を量れない勲章が、
男の人生にはある。(武州山)
・心ない者たちのうちにも自分と同じ美しさを探しつつ、
君はひとり、大人になればいい。(いじめ)
・目にした文章の、言葉の、文字の重さに引き比べ、おのが文章の空疎に嫌気がさし、
何も書きたくないときがある。(御巣鷹)
・勝者よりも敗者のなかに、いつも自画像が見つかるのはなぜだろう。(野田佳彦)
・所属事務所を通じての喜びの言葉に、「志低く、不器用な自分が」とあった。
寡黙で一本気な銀幕の主人公が目に浮かぶ。(高倉さんの運動会)
・仕事に、恋に、あるいはほかの何かにつまづき、どん底のなかで偉業の朗報に接した人も
多かろう。あすを信じて、きょうの悔し涙に乾杯!(山中さんの挫折)
・聴き手の孤独と不幸に歌で寄り添ったその人にさえ、人生の穏やかな秋を天は許してくれない。
生きるとはむずかしいものである。(藤圭子)
・悩み、苦しみ、悔し泣きした人にだけ見えるものがある。(梁瀬次郎)
・若い日に、国家が軍部に引きずられる歴史を見てきたからだろう。
私は「弱い善人」が最も嫌いだーーと、その語録にある。(森嶋通夫)
・〈日々を過ごす/日々を過(あやま)つ/二つは/一つのことか〉
まだまだお世話になるだろう。日々の過ちを過去に流しながら、
苦労を豊かにしていく人生なれば。(吉野弘)
・あの地震が起きてからというもの、涙を燃料に毎日を生きている。そんな気がする。(糧)
間違いなく私の、「座右の一冊」になると思います。
読売新聞朝刊一面コラム - 竹内政明の「編集手帳」傑作選 (中公新書ラクレ)
- 作者: 竹内政明
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2018/05/08
- メディア: 新書
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