今日10日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、寺山修司さんの
『現代人が失いかけているのは「話しあい」などではなくて、むしろ「黙りあい」だ』
という言葉で、いつものように、鷲田清一さんの次のような解説がありました。
『やたらコミュニケーションの必要が説かれる時代だが、
「黙りとおした」ことのない人に「語りつくせる」はずがないと、歌人・演劇家は言う。
人は話し相手を見つけることが幸福への糸口だと勘違いしていると。
言葉を呑(の)み込んだ相手の思いにあれこれと想像を巡らすより先にもう「返信」している、
そんなネットの世界が出現するはるか前の発言である。「歴史の上のサーカス」から。』
このコラムを読んで、久しぶりに書棚から寺山修司さんの
『ポケットに名言を』(角川文庫)を取り出してみました。
・なみだは人間の作るいちばん小さな海です。
・人間が最後にかかる、一番重い病気は「希望」という病気である。
・マッチ擦(す)るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや
・明日何が起こるかわかってしまったら、明日まで生きるたのしみがなくなってしまうことだろう。
・どこでもいいから遠くへ行きたい。遠くへ行けるのは、天才だけだ。
・私は私自身の記録である。
・あたしはあなたの病気です
う~む、‥‥。
何度読んでも心に響く「名言」です。やっぱりこの人は、「遠くへ行ける天才」だと思います。