日経新聞に連載中の安斎隆・セブン銀行特別顧問の「私の履歴書」、
第28回目の昨日は「経営理念」というタイトルで、
「組織」にとってとても大切なことが、次のように書かれていました。
・経営に欠かせないのは経営理念である。
日本銀行で民間銀行の経営内容をチェックする考査を担当したとき、
金もうけばかりを考えている銀行や、企業は経営が悪化すると気づいた。
銀行や企業は何のために存在しているのかを突き詰めて考え、
経営理念という言葉にし、浸透させなければならない。
・セブン銀行は経営理念として、お客様のニーズに応え、
社員が技術革新の成果を取り入れつつ自己変革に取り組むという目標に加え、
安全かつ効率的な決済インフラの提供を通じて
日本の金融システムの安定と発展に貢献するとうたっている。
・経営理念は社員証と一緒に携帯しており、
そこには「ルールは守る、約束を守る、嘘はつかない」といったコンプライアンス(法令遵守)
マニュアルを簡単に書いた項目も載せている。
一人ひとりが守るのは当たり前だが、
社員は上司や社長、会長が項目に反するような行為をしたときは「それは違います」という勇気、
経営側は「聞く耳」を持つことが最も大切だ。
・立派な理念を掲げても、お客様に付加価値を提供できなければ企業は存続できない。
「経営理念」と聞いて思い出すのは、
定年退職後に再就職した第三セクターの株式会社に、3つのスローガンがあったことです。
執務室の壁にそのスローガンが貼ってあって、
朝礼担当職員の掛け声に合わせて、皆が大声で唱和します。
その時というのは、民間企業に就職したことを強く自覚する時間でした。
「立派な理念を掲げても、お客様に付加価値を提供できなければ企業は存続できない。」
官公庁の職員あれ、民間企業の社員であれ、「組織」で働く人間である限り、
「肝に銘じておくべき言葉」だと思いました。