久しぶりに月刊誌「文藝春秋」を購入しました。
真っ先に読んだのは、ノンフィクション作家・保阪正康さんの
『昭和の軍人に見る「日本型悪人」の研究』でした。
保阪さんは、「平然とウソをつく、白を黒と言いくるめる、
失敗すると居直って部下に責任をなすりつける、そして正論をぶつけてくる相手を攻撃する」‥‥、
これが日本型悪人のタイプであり、
こういう人物はいったん力を持つようになると押さえるのは至難の業で、
周囲には、次第に支える人も出てくる‥‥、と指摘されていました。
“権力を持った愚将”として例に挙げられていた昭和の軍人は、
・太平洋戦争開戦時の首相である東条英機
これらの昭和の軍人と対比されていたのが、(いずれも当時の肩書で)
・意図的に対戦相手の選手にケガを負わせる事件が発覚して辞任した日大アメフト部の内田正人監督
・日本ボクシング連盟の私物化が明るみに出て辞任した山根明会長
う~む、なるほど‥‥。言われてみると確かに共通点があるような気がします。
なお、保阪さんは、この特集記事の最後で、
『「日本型悪人」は厚顔無恥です。おかしいと思ったら、はっきりと声を上げなければ、
組織の上に平然と居座り続けてしまいます。』と述べられていました。
「今も昔も、組織に巣くう悪い奴らがいる」というのは、確かにおっしゃるとおりなのですが、
その組織のなかで正論を主張するのは、なかなかできるものではありません。
なにせ、「物言えば唇寒し」という漠然とした「空気」が、組織と組織人を支配していますから‥‥。
これが今も昔も変わらない「日本型組織の特質」なのかもしれません。

- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/09/10
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