今日2日の朝日新聞デジタル版「社説」に掲載された、今年のノーベル医学生理学賞の受賞予定者、
本庶佑・京都大特別教授の次のような発言を読んで、
一つの目標に向かって日々努力することの大切さを、改めて学んだ気がしました。
・多くの人が石ころだと思って見向きもしなかったものを拾い上げ、
10年20年かけてそれを磨きあげて、ダイヤモンドであることを実証することである。
・賞はそれぞれの団体が独自の価値基準で決める。(受賞まで)長いとか待ったとか、感じていない。
(モットーは)好奇心と簡単に信じないこと。確信できるまでやる。自分の頭で考えて納得できるまでやる。
・受賞を機に基礎医学の発展が加速し、多くの研究者を勇気づけるとすれば望外の喜び。
そして、本庶特別教授のこれらの発言を受けて、「社説」には次のようなことが書かれていました。
『これで00年以降、自然科学分野での日本からの受賞は、
米国籍を持つ研究者を含め18人となり、米国に次いで多い。
心配なのは、いまの日本の研究現場が本庶さんたちを生み、育てた時代と大きく変わってきていることだ。
短期間で実用的な成果を出すことが求められ、
独創的なテーマに挑戦しにくいとの指摘がしばしば聞かれる。
純粋な好奇心で始めた研究が、将来、どのような成果をもたらすかは予測できない。
それが基礎研究の役割であり、だいご味でもある。 ~ (中略) ~
研究とは。その意義は。改めて問い直す機会にしたい。』
基礎研究といえば、東レ「炭素繊維」の「超継続」技術開発戦略のことを思い起こします。
数年前の日経新聞デジタル版を読み返すと、次のようなことが書かれていました。
『東レが炭素繊維の本格的な研究を開始したのは、今から55年前の1961年のこと。
長い間利益を生み出すことはなかった。
ただ、参入した欧米企業が利益を出せずに次々に撤退していくのを横目に、
東レは粘り強く技術を磨き、開発当初から目標としていた航空機に採用されるまでになった。
今では炭素繊維は利益率の高い優等生だ。』
「継続は力なり」‥‥。
大学や企業の基礎研究に限らず、人間が営む世界においては、いつの時代でも変わらぬ名言だと思います。