町立図書館で借りていた『古典力』(齊藤孝著:岩波新書)と
『ハーバード日本史教室』(佐藤智恵著:中公新書クラレ)を読了しました。
明日が返却期限なので、取り急ぎ、読書感想文を書くことにします。
結論から言うと、二冊とも読み応えのある良書でした。
以下、印象に残った記述を、この日記に書き残しておきたいと思います。
まずは、『古典力』から‥‥。
・「偉大な精神」に触れること。これこそ古典の味わいの方の王道だ。
一つひとつの思想や主張の内容ではない。精神の偉大さがすみずみにまでしみ透っている。
細胞の一つひとつにDNAが入っているように、作品の細部にまで精神の遺伝子が入っている。
言葉のもちうるDNAが作品に込められている。
・形だけの謙虚さは、自己保身であることが多い。
本当に偉大なものを知る者こそ、本当の意味での謙虚さを身に着けることができる。
表面上、謙虚なものの言い方をするかどうかは問題ではない。
古典力は真の謙虚さを教え、その分、同時代人に対する恐れや引け目を減らし意欲の持続を助ける。
次に、『ハーバード日本史教室』です。
・ハーバード大学の教員が教えているのは、良きアメリカ人になるためだけではなく、
良き地球市民になるための教養です。だからこそ、アメリカ以外の国の文化や歴史について学ぶことは
とても大切なことなのです。(デビッド・ハウエル教授)
・日本の強みは、世界の国々から良い制度や文化を取り入れて、自国のものに発展させていく能力です。
中国、韓国、他のアジアの国々と比べても、圧倒的に優れていると思います。
現在の課題は国のゴールがわからなくなってしまったことだと思います。
日本は戦後、経済大国となりましたが、その成功が逆に「ゴールの欠如」という課題を生んでいるのです。
(アルバート・クレイグ教授)
・私は日本が今後も「世界の良心」であり続けることを願います。
日本の平和主義が、戦後、アメリカに強制されたものだったことは事実です。
しかし、日本は世界有数の経済大国となり、
軍事力を増大できるだけの資金や技術を持っているにもかかわらず、平和主義を貫き続けてきました。
「どれだけ経済が成長しても平和主義を維持することは可能だ」ということを
日本の歴史が証明しているのです。(サンドラ・サッチャー教授)
この二冊を関連付けて、私なりの感想を一言で表すと、
「古典という偉大な精神に触れつつ、良き地球市民としての教養を身に着けるべく努力すること」、
このことの大切さを学べたと思います。
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/10/20
- メディア: 新書
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (13件) を見る