昨日、そして今日と暖かく、ようやく春らしい陽気となりました。
買い物帰りに町立松前公園に立ち寄ると、桜はすでに満開を過ぎたようで、
一部はもう既に花が散り始めていました。いつもながら、桜を愛でる期間はあっという間に過ぎ去ります。



さて、今日の日経新聞「文化欄」の「遊遊漢字学」は、『すばらしきかな「令」』というタイトルで、
漢字学者の 阿辻哲次さんが、次のようなことを書かれていました。
『敬虔(けいけん)な信仰に対して神仏が示す不思議な験(あかし)を「霊験」といい、
また「霊峰」や「霊薬」ということばがあるように、
「霊」という漢字には「はかりしれないほど不思議な」とか
「神々しい」「とても素晴らしい」という意味がある。
しかし「霊」の旧字体である「靈」は二十四画もあって、書くのがはなはだ面倒だ。
それで早い時代から、「靈」と同じ発音で、ずっと簡単に書ける「令」があて字として使われた。
こうして「令」に「よい・すばらしい」という意味が備わり、
やがて「令嬢」とか「令息」といういい方ができた。
新しい元号「令和」の出典とされる『万葉集』巻五の「初春令月、気淑風和」に見える「令月」も
「令」を「すばらしい」という意味で使い、「(新春の)よき月」であることをいう。
友人夫婦が結婚披露宴にまねかれたところ、
奥さんが指定された席に「令夫人」と書かれたカードが置いてあった。
そのカードをしばらく見ていたわが友は、「そうか、いつもおれに命令ばかりしているから、
女房を『令夫人』というのか」とさとったという。
まことにユニークで秀逸なこの解釈を掲載する辞書は、どこかにないものか。』
う~む、なるほど‥‥。
「令」は「霊」の「あて字」で、「よい・すばらしい」という意味があるのですね‥‥。
その一方では、記事に書かれているように、
「令夫人」の「令」を、命令と解釈した人もいらっしゃるようで、そのお気持ち、私にはよく分かります。
我が家にも約1名、そのようなご婦人がいらっしゃいますから‥‥。(苦笑)