今日の朝日新聞デジタル版に掲載された、「長期停滞論」の火付け役の一人、
米国の経済学者ロバート・ゴードンさんへのインタビュー記事が勉強になりました。
それはたとえば、次のようなQ&Aです。
Q 人々の幸福に経済成長はどの程度必要なのでしょうか。
A 生活水準が高いスイスやスウェーデンに、
アフリカの低所得国より幸せな人が多いのは明らかです。
ただ先進国のなかでみると、個人の幸福と経済成長の関係性は明白ではありません。
米国が抱える深刻な社会問題の一つは、ひとり親の元に育つ子どもの割合が
景気と関係なく増え続けていることです。ひとり親世帯は貧困に陥る可能性が高く、
大学進学率の低さや、犯罪にかかわる可能性の高さとの関連が指摘されています。
Q 低成長が解決をより難しくしていませんか。
A こうした問題で大事なのは、人々の孤立を防ぐ地域などのコミュニティーを、
どう立て直すかです。生産性の伸びが年1%なのか3%なのかはあまり関係がありません。
日本はひとり親をめぐる問題も米国ほど深刻ではなく、民族的な葛藤も少ない。
米国に比べると社会がかなり落ち着いています。
高成長は確かに、パイを奪い合わずに分け前を増やせる点で望ましいと言えます。
でもより幸福な社会を構想するには、経済指標を超えた思考が必要なのです。
う~む、なるほど‥‥。
でも、「経済指標を超えた思考」というのは、どういう思考なのでしょう?
たぶん、「地域などのコミュニティーを立て直す」のも、その一つなのでしょうね‥‥。
日本では平成の大合併で、その「地域コミュニティ機能」が弱体化したような気がしてなりません。
もっとも、現役の頃は、私もその推進を担う組織の一員ではありましたが‥‥。