今日の日経新聞一面連載記事「Neo economy」の
『成長への解、規模にあらず』というタイトルの記事が勉強になりました。
記事には次のようなことが書かれていました。
・インターネットでつながる世界では、販路の拡大と生産コストの低下が同時進行し、
少量のモノは個人や小企業でも作れる。
・ちりが積もるように価値を連ねる経済の姿は、世間に出回る品ぞろえにも映る。
東京大の渡辺努教授らの調査によると、日本の小売店の品目数は13年に12万点と
四半世紀で倍増した。必要とする人が1人でもいれば、そこが市場となる。
「情報やアイデアを形にするための知識の密度が死活的に重要だ」と
マサチューセッツ工科大のセザー・ヒダルゴ准教授は指摘する。
・モノが余り、ムダが出ることを前提に大量生産する20世紀型の規模の経済との決別が進む。
大企業が市場の最大公約数のニーズを想定し、巨大なブランド力をテコに
大量の商品やサービスを売ることが最適解ではなくなった。
規模を問わず、無駄や制約を極限まで減らし、
細かなニーズから価値を創り出す新たな経済が広がる。
そこでは高さはそこそこでも、息の長い成長が続くかもしれない。
・最大公約数に代わる最適解を手にするのは大企業や国家とは限らない。
人材が人材を引き寄せ、知恵の連鎖が世界経済の構図を塗り替える。
「これからの経済は人という単位で動く」。東京大の柳川範之教授はこう予言している。
なお、記事に登場するマサチューセッツ工科大のセザー・ヒダルゴ准教授は、
「物理学者として経済成長の本質をどうとらえていますか」という問い掛けに対し、
次のように答えられていました。
『成長の源泉は物理的な資本や労働ではなく知識となった。
知識は情報を成長させる力であり、国家間のモノづくり能力の差を生む。
多様なモノづくりがうまい国ほど繁栄しやすい。
さらに今、起きていることは知識を得るためのコストの低下だ。
知識が簡単に普及する時代の経済成長に重要なのは、独創性と社会的つながりの2つだ。』
う~む、なるほど‥‥。
経済成長とあまり関係がなさそうな「社会的つながり」が密接にリンクしているとは意外でした。
「どんな人でもチームなしに独創的な知識やモノを生み出すのは難しい。」との指摘に、
なるほど、言われてみると確かにそのとおりかな‥と納得した次第です。
これからの時代は、人と人、人と社会とのつながりが、ますます大切になるのですね‥‥。