NHKテレビテキストの100分de名著『アルプスの少女ハイジ~シュピリ』を読了しました。
テキストを読んで、娘が子どもの頃に、親子で一緒にテレビアニメを見たことを懐かしく思い出しました。
♬ くちぶえはなぜ とおくまできこえるの‥‥おしえておじいさん‥‥
テレビアニメの主題歌は、今でもしっかりと脳裏に焼き付いていて、この私でも口ずさむことができます。
今回、テキストを読んで、テレビアニメとは一味違う、その原作の奥深さを初めて知ることになりました。
その原作の魅力を、松永美穂・早稲田大学教授のテキストの解説から、次のように抜き出してみました。
『‥‥そしてまたこの作品は、血のつながりだけではない、新しい家族を作っていく話でもあります。
両親を亡くしたハイジをはじめ、妻と息子を亡くしたおじいさん、父親を亡くしたペーター、
息子を亡くしたペーターのおばあさん、母親を亡くしたクララ、妻を亡くしたゼーゼマンさん、
妻と娘を亡くしたお医者さんなど、家族を失った人々が、血縁の有無を超えて、
強い心のつながりで新たに結ばれていきます。人と人とが出会い、支え合い、与え合う、
人間同士の基本的なつながりから生まれてくる温かさが、この作品には満ちあふれています。』
『‥‥このように、「ハイジ」には、百四十年前の話であるにもかかわらず、
現代にも通じる要素がたくさん詰まっています。
そして何よりもそこには、人間の結びつきへの大切なヒントがあり、生きる力を取り戻すための、
「太陽の光とアルムの空気」に似た、明るく澄んだ希望が含まれているのです。』
う~む、なるほど‥‥。テキストを夢中になって一気に読み終えた、その訳が見えてきました。
私もそこに、「明るく澄んだ希望」を見出したのだと思います。
「読んで本当に良かった。」と思える、価値ある一冊に出合うことができました。
シュピリ『アルプスの少女ハイジ』 2019年6月 (NHK100分de名著)
- 作者: 松永美穂
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2019/05/25
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る