今日の愛媛新聞「道標」に、編集工学研究所所員の渡辺文子さん(宇和島市出身)が、
「足の裏のオノマトペ」というタイトルで、次のようなコラムを寄稿されていました。
『‥‥海が苦手な子どもが増えているらしい。
ベタベタする、波に顔がかかる、水着の中に砂が入る、裸足で歩くのがこわい、
海の中が不気味、フナムシが嫌い。しかし、私にとってはそれこそが海の面白さだった。
海と聞くとなぜだか足の裏の感触を思い出す。
最近では海水浴用のシューズを履いて海に入る人が増えてきたが、あの頃はみんな裸足だ。
貝殻を踏んで痛い思いをしたり、得体の知れないもの(海草やクラゲが多かった)に触れて
悲鳴を上げたりした。
陽に焼けた砂浜や石ころはやけどをするほど熱く、ピョンピョンと跳ねて海に入り足の裏を一気に冷やす。
足の裏の皮膚は、ゴツゴツ、トゲトゲ、ヌルヌル、ジンジンという
たくさんのオノマトペ(擬音語、擬態語)を感じ分け、脳にガンガンと指令を送り、
快と不快、安全と危険の境界をさぐっていた。
海は、私の中にある無数の触感を想起させ、隠れた神経に刺激を与え、
無意識のうちに五感を鍛えてくれていたのだろう。
岩場での体重のかけ方やバランスのとり方、海中での歩き方を覚え、私は海と仲良くなっていった。‥‥』
このコラムを読んで、子供の頃、伊予市双海町上灘の、透き通るような青い海で遊んだことを思い出しました。
その双海町上灘は、私の母の生まれ故郷です。
夏休みに滋賀県大津市から、海のすぐそばに立つ祖父母の家に帰省すると、直ぐに海に泳ぎに行きました。
渡辺さんと同じように、海で得た様々な経験や体験は、「足の裏」がしっかりと覚えています。
そういえば孫娘とは、これまで一緒に海で遊んだことがありません。
海の面白さを伝えるのも、グランパの大切な役目かもしれません‥‥。