今日の日経新聞デジタル版に、『台風被害、東電・JRが陥った「楽観主義バイアス」』
というタイトルの記事が掲載されていました。
とても示唆的なことが書かれていると思ったので、次のようにこの日記に書き残しておこうと思います。
『関東を直撃した台風15号は長期間にわたる大規模停電や鉄道の運休など
各地に甚大な被害をもたらした。各インフラ事業者は被害が想定を大きく上回ったとして、
当初発表した復旧時期の見通しを再三先延ばしにしたことで混乱に拍車がかかった。
専門家は早期復旧への期待が高まる中で事業者側が
「楽観主義バイアス」に陥った可能性を指摘している。
~ (中略) ~
事業者側の見通しと実態のズレの背景について、東京女子大の広瀬弘忠名誉教授(災害リスク学)は
「楽観主義バイアス」と呼ばれる心理現象があると指摘する。
楽観主義バイアスとは物事を自分に都合良く解釈してしまうことを指し、
自己防衛反応として人間に本来備わっているという。
広瀬氏は東電について「実際には詳細な状況が把握できていない段階で被害を過小評価し、
楽観的な見通しを乱発してしまった」と分析する。
福島第1原子力発電所事故後の対応とも共通するとし
「早期復旧を望む利用者に応えたいという思いも無意識に働いたのでは」とみている。
明治大の市川宏雄名誉教授(危機管理)は「事業者ばかりを責められない。
日本の災害対応が優れているが故に、すぐに復旧すると思っている国民が多いことも一因だ」
と指摘する一方で「災害の被害全容を把握するのに時間がかかるのは当然。
きちんと調べたうえで、その状況を丁寧に説明するなど、
事業者側が情報発信の内容を工夫することが求められる」と話している。』
う~む‥‥。これってまるで、太平洋戦争時やバブル崩壊時など、
困難な局面に直面した時に、日本という国が辿ってきた道と同じように私には思われました。
「楽観主義バイアス」は、私を含めて、日本人特有のものなのでしょうか‥‥?
危機管理時における「正しく対処することの難しさ」を、改めて考えさせられる記事でした。