今日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、評論家・加藤周一さんの
『日本人は留学するが亡命しない。』という言葉で、
いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『かつては大陸から、朝鮮半島から、欧州から日本へ亡命した人々がいた。
だが日本からは(逃亡しても?)亡命する人はほとんどおらず、
その理由を問う必要があると評論家は言う。
ナチス時代のユダヤ人もそうだったが、境遇によって亡命できる人とできない人がいる。
亡命後の生活も違う。その理由も併せ考えるべきと。
文集『称(たた)えることば 悼むことば』(鷲巣力編)から。』
このコラムを読んで、「よど号ハイジャック事件」のことを思い出しました。
当時、私は中学生でしたが、赤軍派の犯人グループは、北朝鮮に「亡命」したことを覚えています。
この事件以降、日本人が「他国に亡命」したとことを聞いたことがありません。
でも、どうして日本人は、加藤さんの指摘するように、他国に亡命しないのでしょうか‥?
「その理由は?」と問われると、そんなことを一度も考えたこともなく、答えに窮してしまいます。
それは畢竟、日本人特有の資質によるものなのでしょうか‥‥?
もう一度、手元にある『日本人とは何か』(加藤周一著:講談社学術文庫)を
読み直す必要がありそうです。
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