今月8日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、俳人・松尾芭蕉の
『終(つひ)に無能無才にして此(この)一筋につながる』という言葉で、
いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『「幻住菴記(げんぢゆうあんのき)」から。
「奥の細道」を旅した後しばらくして、俳人は琵琶湖畔・大津の山中にある庵に移り住んだ。
自分は仕官や出家を願ったこともあるが、若い頃から俳諧をむやみに好み、
なおかつそれで世過ぎできたので、他には身を入れないまま今日に至ると、その生涯をふり返る。
そして庵の名のとおり、人生も「幻の栖(すみか)」だと。器用より、無骨(ぶこつ)に一筋。
いいではないか。』
う~む、なるほど‥‥。「器用より無骨に」ですか‥‥。
多くは語りません。
何事にも不器用で、生きるのが下手な私には、骨身に染みる、有難い励ましの一言に聞こえます‥‥。