今月初めから日経新聞で連載が続いていた、
澤部肇・TDK元会長の「私の履歴書」は、今日が最終回でした。
そこには次のようなことが書かれていました。
『友人が読んでいた正宗白鳥の「人生おとぎばなし」という随筆を横から目にして一節に心が動いた。
「老来回顧すると、過去のきびしい現実の人生がおとぎばなしの如(ごと)くに思い出されそうである」。
人生を深く観察した明治生まれの作家がこの文章を書いたのは77歳のときで、
何の偶然か私のいまの年齢である。正宗さんほどの達観はないが、私の心境にこの一文はよく響く。
重圧に眠れないときもあった。嫌いな人もいただろう。
しかし、生々しい角は取れ、思い出すのは苦しい思いをした後の心地よい達成感であり、
あの人にもこの人にもお世話になったという感謝の気持ちだけである。』
う~む、なるほど‥‥。
私も老年回顧した時に、「感謝しか残らない人生」になるのでしょうか? いや、そうなりたいものです。
さて、今年の大晦日は、とても寒い一日となりました。
毎年恒例の、父の大好きな「くわいの煮物」を料理した後、この寒さのなか、西の海岸に行って来ました。
左足の痛みが再発してもいけないので、徒歩ではなく自転車です。
北風が強く、雲が低く垂れこめて、あいにくの天気でしたが、
雲の切れ間から、2019年最後の日の入りを見ることができました。
来年も、西の海岸に沈む夕陽を見ながら、悠久のひと時を実感する日を、定期的に持ちたいと思います。
それでは皆さん、良いお年をお迎えください‥‥。