昨日のこの日記「エポケーの機会」で引用させていただいた、記号学者・石田英敬さんの論評の中に、
『生物の生のための環境は人間の経済にとっては「外部性」とされてきた。
しかし、生政治も環境政治も、本当の意味での生物政治、地球政治へと
次元を上げることを求められている。』という記述がありました。
すると、今日の日経新聞一面コラム「春秋」には、次のようなことが書かれていました。
その全文を引用させていただきます。
その中央部あたりの西側、アンダマン海に浮かぶプーケット島は、
アジアで指折りのビーチリゾートとして知られている。
淡路島より小さなこの島が1年間に海外から受け入れる観光客はおよそ1000万人という。
それだけに新型コロナウイルスの影響は甚大だ。
ヒトの出入りが活発なためにタイでは最もはやく感染が拡大した地域のひとつとなり、
ロックダウン(都市封鎖)の措置が導入された。
ビーチは閉鎖され、最大の玄関口である国際空港も4月10日から閉じたまま。
当初は5月に入れば再開としていたが、16日に延期された。
一方で先ごろ、ほっこりするニュースが現地から伝えられた。
現生するカメの仲間としては最大級のオサガメの巣穴が、
この20年のうちで最も多く確認できたというのである。
観光客が減った結果、砂浜がカメたちに暮らしやすい環境になったらしい。
絶滅が危ぶまれるだけに、保護に携わる人たちの喜びは大きいようだ。
やはり絶滅危惧種であるジュゴンの大群がタイ南部の海で確認され、
悪名高い中国やインドの大気汚染が改善し‥‥。
コロナ禍が環境にプラスに働いているとする報告は多い。
ヒトの営みが自然に負荷をかけてきたことを改めて痛感する。
にわかに浮上した「新しい生活様式」の模索。感染対策だけにとどまらないのかも。』
う~む、なるほど‥‥。
コラムに書かれている「新しい生活様式」とは、
最近よく聞く「ニューノーマル」(新常態)と同義語と理解していいのでしょうか‥‥?
「ポストコロナ」の時代が、今よりも良くなるのか悪くなるのか、私には予想がつきませんが、
どうやらすべての「生活様式」において、
何らかの価値観の転換が、個々人に求められていることだけは間違いなさそうです。