今日の日経新聞電子版に掲載された『マイナンバーカード、「密」を生んだミスマッチ』
というタイトルの記事を読んで、自らの体験を踏まえて、いろいろと考えるところがありました。
その記事には次のようなことが書かれていました。
『今話題のマイナンバーカードを使った特別定額給付金のオンライン申請。
まずはよくあるパターンでクイズから。
Q1 マイナンバーカードの普及率が最も高い年齢層は?
Q2 オンライン申請に使える情報端末はなに?
新型コロナウイルスの緊急経済対策である1人当たり10万円の給付が先週、
一部の自治体で始まった。
すると人手を介さず業務が迅速に済むはずのオンライン申請が、
かえって人を自治体窓口に向かわせ「密」を生む‥‥そんな皮肉な光景が展開された。
主因は5回間違うとロックが掛かり、窓口で設定し直す必要があるマイナンバーカードの暗証番号だ。
「意外な盲点」と報じられたがクイズの答えに鑑みればある程度予期できた混乱だ。』
ちなみに、記事によると、Q1の答えは、意外にも75~79歳、
Q2の答えは、スマートフォン、もしくはパソコンとICカードリーダーとのことで、
「高年齢層に保有者が多いのは、その利用方法が身分証明書にとどまっていること」、
「中高年以上を中心に従来型の携帯「ガラケー」がまだまだ一定の存在感を持っていること」
という事実についての解説がありました。
つまり、カード保有者は高齢者が多い一方、
その多くが使いこなせないというマイナンバーカードをめぐるミスマッチが浮き彫りになったのが
今回の騒動というのが記事の結論です。
実は、今年4月に92歳になった私の父も、
身分証明書の代わりに取得したマイナンバーカードの保有者です。
その父に、今年になって、「電子証明書の有効期限通知」が届きました。
町役場の窓口に自ら出向いて手続きをすることが、もはや困難な父に代わって、
私が更新手続をすることになりましたが、
父に暗証番号を聞くと、さっぱり覚えていないというので、
結局、私は、年度末の忙しい時期に、パスワードの再設定手続を含め、
二度、町役場に足を運ぶことになりました。
たぶん、私の父のように、「パスワードを忘れてしまった高齢者が多いこと」や、
「スマホやパソコンとICカードリーダーを所有していないこと」などの、
複数の要因が「運悪く」重なって、市町村役場の窓口が「密」になったのだと想像します。
では、今回のような「予期せぬ」ミスマッチにおいては、どうすれば課題を解決できるのでしょう‥‥?
我が国では、日々、新たな課題が生じているように思います。