今月5日付けの「溜池通信vol.692」の特集記事は、
「コロナ第2ステージ」への論点整理」というタイトルの記事でした。
このなかで、「かんべえ」さんは、「日本型組織にありがちなパターン」という見出しで、
次のようなことを述べられていました。
『本誌5月8日号の「コロナ対策に見る「失敗の本質」」では、
今から35年前の名著を引き合いに出しつつ、今回の日本政府の対応を考えてみた。
その際にしみじみ感じたのだが、「失敗の本質」が抽出した日本型組織の問題点は、
今でもほとんどそのまま通用する。
それを筆者なりに咀嚼してまとめたものが、下記の5つのパターンである。
日本企業の中で長い時間を過ごしてきた方には、思い当たることが多いのではないだろうか。
〇『失敗の本質』に見る日本型組織のパターン
① 内部の居心地はいいけれども、余裕のない組織
↓
② 短期決戦思考(戦力の逐次投入、兵站や諜報の軽視、手薄な防御)
↓
③ まず「できることから考える」(帰納的アプローチ)
↓
④ 属人的統合(人間関係重視→異論や反論が出にくい)
↓
⑤ 学習できない組織(同じ失敗を繰り返す)→ ①に戻る
~ (中略) ~
トップの指示が迷走していても、現場力で何とか乗り切ってしまう、
というのは日本型組織の美点でもあるが、欠点でもある。
何よりこの結末になると、「次もまた何とかなるだろう」という自信だけが残って、
有用なノウハウが残らない。
しかも、「余裕のない組織」という問題点は解決されないまま、放置されることになる。
近い将来に感染の「第2波」が来るかもしれず、
それは「第1波」とはかなり性質の違うウイルスであるかもしれない。
こうした状況では、やはり前述の通り、外部の意見を入れた事後検証が必要ではないだろうか。
医療の現場もまた日本型組織と考えれば、
この④から⑤にかけてのプロセスがまことに目に浮かぶようなのである。』
う~む、なるほど‥‥。分かりやすい解説でとても勉強になります。
また、私も、地方自治体という「日本型組織」で生きてきた人間なので、ご指摘はよく理解できます。
「かんべえ」さんのレポートを読んでつくづく感じたのは、
ほかの有識者の方もご指摘されているように、「事後検証」の大切さです。
「失敗の繰り返し」だけは、何としても避けたいものですね‥‥。