一般社団法人日本能率協会のHP、「経営の羅針盤」に掲載された
『「失敗の本質」の本質』というタイトルのコラムが大変勉強になりました。
コロナ禍が広がる中で、あらためて注目が集まった
名著「失敗の本質~日本軍の組織論的研究」(中公文庫)を読み返し、
「そのエッセンスを考えてみようとする試み」とのことでした。
『‥‥以上、「失敗の本質」のエッセンスを確認してきました。
これほど具体的、詳細に失敗の原因が提起され、
これまでに、多くの経営者やリーダーに読まれてきたにも関わらず、
なぜ組織は失敗に陥ってしまうのでしょうか。
むしろ、それが組織の必然であり、運命であるということなのかもしれません。
したがって、「失敗の本質」からの最大の学びは、
「それでも組織は失敗する」ことを大前提として認識するべきということではないかと考えます。
どんなに成功していても、むしろ、成功していると思われるときこそ、
「自組織は失敗に陥りかけていないか」と自問自答することです。
さらに、自問自答では「ご都合主義」に陥る危険性がありますから、
素朴な質問を投げかける異質な/新鮮な視点をもった人を組織に組み入れる、
あるいは、会議の際に敢えて異論・反論を述べる役割
(いわゆる「デビルズ・アドボケイト」)を設定するといった仕掛け、仕組みをつくることです。
こう考えると、組織マネジメントやコーポレート・ガバナンスにおいて
多様性を取り入れることは、極めて重要なことと言えるのではないでしょうか。』
う~む、なるほど‥‥。
「会議の際に敢えて異論・反論を述べる役割」を「デビルズ・アドボケイト」というのですね。
初めて聞く用語なのでネットで調べてみると、「悪魔の代弁者」との解説がありました。
ん‥‥、「悪魔の代弁者」なら聞いたことがあるぞ‥、と思い起こしてみると、
はぃ、かつて読んだ『武器になる哲学』(山口周著)に、
ジョン・スチューアート・ミルの言葉として、しっかりとその用語の解説が書かれていました。
『昨今、本来であれば頭脳優秀な人材が集まっているはずの大企業が
噴飯ものの不祥事を続発させていますが、このような局面だからこそ、
私たちは重大な意思決定局面における「悪魔の代弁者」の活用について、
もっと積極的になるべきだと思うのです。』
はぃ‥、「デビルズ・アドボケイト」が組織に必要なことは理解できたのですが、
私の経験からすると、組織の良好な雰囲気を一瞬にして壊してしまう、
人物・性格まで「悪魔の代弁者」がいることには、十分に気を付けたほうがいいと思います。