しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

続・平成の経済史

日経新聞電子版「Nextストーリー学び」で連載が続いている「平成の経済史」、

第三回目のテーマは「小泉構造改革不良債権処理」でした。


執筆者の小峰隆夫・大正大学教授は、まず、小泉式政策運営の特徴を、次の三点に整理されています。

①「構造改革なくして景気回復なし」といったワンフレーズ・キーワード

②「小さな政府」を志向し、「市場の機能を重視する」という姿勢が鮮明だったこと。

③政策決定プロセスについて、経済財政諮問会議などの新しい仕組みを積極的に活用したこと。


そのうえで、小泉構造改革のドラマチックな展開から、次の三点を学んだと述べられていました。

①日本において小さな政府、市場原理中心の考え方を貫くことの難しさである。

 エコノミストである私の眼には、小泉改革の基本思想は自然に映る。

 しかし、実際にそれを適用しようとすると、

 「格差の拡大を放置するのか」「地方を見捨てるのか」という批判が高まり、

 それが民主党への政権交代を生む一つの素地とさえなってしまった。

 日本のような横並び重視型の社会で市場主義、自己責任を主張するのは無理なのだろうか。


社会保障問題の扱いが厄介だということだ。

 小泉財政改革プランが行き詰まったのも、社会保障費の削減がきっかけだった。

 どうやら、日本では改革が社会保障に及んでくると、急にハードルが高くなるようだ。

 これは、これからの社会保障改革の難しさを物語るものだ。


③制度的な仕組みは、作っただけではだめということだ。

 例えば、経済財政諮問会議は、小泉内閣の時にはその潜在力をフルに発揮して、

 経済政策の議論を大いに活性化したのだが、その後はすっかり影が薄くなってしまった。

 また、郵政民営化は一時国民的な議論が盛り上がったにもかかわらず、その後急速に熱が冷めてしまった。

 制度は、改革する時だけではなく、その後の運営ぶり、事後検証が重要であることが分かるだろう。


小泉政権時代、私は地方自治体の現場で、

「地財ショック」や「市町村合併」などの、痛みを伴う「改革」を経験しました。

この頃は、とにかく自治体には、キャッシュというか、「お金」がありませんでした。

また、公共事業は「悪のレッテル」を貼られたことなど、今となっては隔世の感があります。


小峰教授が指摘されているように、

日本で小さな政府や市場原理中心の考え方を貫くのは難しい‥‥。はぃ、私もそう思います。