今、この時刻、東の澄み切った夜空に、まん丸なお月様がくっきりと浮かんでいるのが見えます。
それもそのはず、今日は「中秋の名月」だったのですね‥‥。
「こよみのページ」のHPには、次のような解説がありました。
『旧暦八月十五日。この日の月を中秋の名月・芋名月などと呼び、月見をする風習がある。
中国から伝わった風習で、中国では「中秋節」と呼ばれる。
日本では、この日と九月十三日の両日に月見をする風習がある。』
また、『続・深代惇郎の天声人語』(朝日文庫)を紐解いてみると、
昭和49年9月30日に、次のようなことが書かれていました。
『「月見る月はこの月の月」。今夜は旧暦8月15日、中秋の名月。
秋風に誘われてコウコウたる満月がお出ましになるのだろうか。
それとも無情無月の宵に終るのか。
「名月を取ってくれろと泣く子かな」は、一茶の有名な句だ。‥‥』
昭和49年といえば、私は京都で一人寂しく、大学受験のための浪人生活を送っていました。
深代さんがこのコラムを書かれた日の京都では、「中秋の名月」を見ることができたのでしょうか‥‥?
当時は、美しい月を愛でる余裕は、私にはまったくありませんでした。
それから幾星霜‥‥。夜空を見上げて、こうして月の美しさを日記に書けるようになった私。
随分と年を取ったものです‥‥。