2020年11月に行われたアメリカ大統領選挙がどのようなものだったのか、
後から振り返った時の参考とするために、今日の日経新聞一面コラム「春秋」の全文を、
この日記に書き残しておこうと思います。
『「党派的な感情は愛国心に屈しなければならない。私はあなたについていく」。
1860年、上院議員のダグラスは大統領選挙で自分を打ち負かしたリンカーンにこう伝えた。
諸説ある敗北宣言の起源の一つという。ゴア候補が2000年、負けを認めた際に引用した。
敗北宣言は米国の民主主義を象徴する慣習である。1年にわたる選挙戦は文字通り国民を二分して争わせる。
激しい闘いの後は勝者にも敗者にも傷が残る。
それを癒やし、一つに束ね、ともに前進するために大切な役割を果たす。
憲法に規定はなく、流血の内戦を歴史に刻むこの国の先人たちが生み出した儀式なのだろう。
振り返れば、勝者にもまさる敗者の名演説は多い。
「我々の違いが何であれ、我々はみな米国人だ。これ以上の意味を持つ仲間はほかにいない」
(08年、マケイン氏)。
「全ての若い人に伝えたい(中略)。
正しいことのために戦うのは、価値あることだと信じるのをやめないでほしい」
(16年、ヒラリー・クリントン氏)。
当選を確実にしたバイデン氏は、初の女性副大統領となるハリス氏とともに、勝利宣言をした。
かたや現職大統領はすんなり負けを認めることはなかった。
確かなのは彼がどんなつもりであれ、任期が終わる来年1月20日が来れば、
ホワイトハウスを去らねばならないということだ。それまでにどんな名言を残すだろうか。』
う~む‥‥。
報道によると、トランプさんは、あくまで敗北を受け入れず、法廷闘争を展開する意向とか‥‥。
「敗者の美学」や「散り際や去り際の美しさ」を良しとする日本では、ほとんど理解不能な言動です。
ホワイトハウスには、桜の木はないのでしょうか‥‥?
なぜだか、ふと、良寛和尚の辞世の句、「散る桜 残る桜も 散る桜」が頭に浮かんできました。