しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

姿を消した雑誌

今月20日の日経新聞文化欄に、作家の沢木耕太郎さんが

「さよなら僕らの雑誌たち」というタイトルのエッセイを寄稿されていましたが、

そのなかで沢木さんは、次のようなことを述べられていました。


『‥‥だが、それ以上に、ここ数年は、雑誌を読んでいる乗客という存在を見かけることがないからだ。

 バスだけではない。電車でも、雑誌を読んでいる人に遭遇することがない。

 いったい雑誌の読者はどこにいるのだろう、と不思議になるほど見かけない。

 新聞を開けば雑誌の広告は出ているし、書店に行けば平台に雑誌は並んでいる。

 しかし、街で雑誌を読んでいる人を見かけることがない。

 雑誌の読者が、眼の前から忽然(こつぜん)と姿を消してしまった。』


はぃ‥、私も毎日、電車通勤をしていますが、ここ数年、

車内で雑誌、特に、週刊誌を読んでいる人に遭遇したことがありません。

車内では、ほとんどの乗客が、スマホの画面を見たり、あるいは操作したり‥‥。

本を読んでいる人を見かけても、そのほとんどは文庫本です。

昔は、「週刊ポスト」や「週刊現代」などの雑誌を読んでいる人が多くいて、

読み終わったら、その雑誌を網棚に置いて、そのまま降車する人もいたというのに‥‥。

さらに付け加えるならば、病院の待合室などでも、雑誌を読んでいる人を見かけたことがありません。


この「需要の消滅」ともいうべき社会現象は、どのように理解したらいいのでしょうか‥‥?

沢木さんのエッセイを読んで、街で雑誌を読むという「文化」が、

私たちの社会から、すっかり消え失せてしまったのではないか‥?、と感じた次第です。