しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

心の琴線に触れる詩との出合い

「こよみのページ」のHP、「今日は何の日?」を閲覧すると、

今日は「犀星忌」とのことで、次のような解説がありました。


『小説家・詩人の室生犀星の1962(昭和37)年の忌日。

 「愛の詩集」「幼年時代」「あにいもうと」「杏つ子」等の作品を残しました。』


この解説を読んで、犀星の、あまりにも有名な詩を思い出しました。

『ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの

 よしや うらぶれて異土の乞食となるとても 帰るところにあるまじや 

 ひとり都のゆふぐれに ふるさとおもひ涙ぐむ

 そのこころもて 遠きみやこにかへらばや 遠きみやこにかへらばや‥‥』


また、「室生犀星記念館」のHPでは、「よき友とともに」という詩が紹介されています。

『心からよき友をかんじることほど その瞬間ほど

 ぴつたりと心の合つたときほど 私の心を温めてくれるものはない

 友も私も苦しみつかれてゐる よいことも悪いことも知りつくしてゐる

 それでゐて心がかち合ふときほど嬉しいときはない

 まづしい晩食の卓をともにするとき 自分は年甲斐もなく涙ぐむ いひしれない愛情が湧く

 この心持だけはとつておきたくなる 永く 心にとつておきたくなる 「第二愛の詩集」より』


久しぶりに犀星の詩に触れて、感慨深いものがありました。

私と犀星の詩との最初の出会いは、多感な高校生の頃だったと記憶しています。

それは、振り返れば、まさしく「心の琴線に触れる詩との出合い」だったように思います‥‥。