一昨日のこの日記で、サマセット・モームの長編小説
「人間の絆(上)・(下)」(中野好夫訳:新潮文庫)を読了したことを書きました。
すると、今日の愛媛新聞一面コラム「春秋」に、次のようなことが書かれていました。
『舞台は南太平洋の中心にあるサモア諸島。
狂信的とも言える信仰に厚い宣教師が船で任地へ向かう途中、検疫のため島に上陸。
宿泊先で娼婦の教化に乗り出すが、間断なく降り続く雨が彼の理性を混乱させてしまう。
英国の小説家サマセット・モームの代表作「雨」。初めて手にしたのは大学生時代、文庫本だった。
訳はシェークスピア作品などでも知られた英文学者の中野好夫氏。
後に氏が松山市出身と知り、作品への愛着がいっそう増した。
神に仕える身であっても、欲望に打ち勝てない弱さが人間にはある。
宣教師が自ら命を絶ったのは悔悟の念あってのことだろう。
しかし弱さとはいえ、まさに人間を描いた傑作。「雨」の読後感は明快だった。
~ (中略) ~
外出もはばかられる新型コロナウイルス下。
じめじめと降り続く雨の季節も加わって、つい気分もふさぎがちになりそうだが、
こんな時だからこそ「雨」で人間を見詰め直してみようか。』
へぇ~、訳者の中野好夫さんは、愛媛県松山市のご出身だったのですね‥‥。
このコラムを読んで、今度は「雨」という作品も読んでみたくなりました。
こうして、「読書メーター」の「読みたい本」が、また一冊増えることになります。
ところで、こちらは梅雨入りということもあって、終日ぐずついたお天気となりました。
散歩もできず、買い物もできず、必然のように自宅に引きこもることになります。
ひょっとしたら、災害にならないような「適量の雨」が、結果的に「外出自粛」をもたらし、
コロナウイルスの感染拡大防止に、意外と効果があるのかもしれません‥‥。