久しぶりにまとまった雨が降り、その雨が止むと、今度は強く冷たい西風が吹くようになりました。
これから気温が下がって寒くなりそうです。
さて、町立図書館で借りて来た『FACTFULNESS(ファクトフルネス)
~10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』
(ハンス・ロスリングほか著 上杉周作、関美和訳:日経BP社)を読了しました。
本書冒頭の、「世界の事実に関する13問のクイズ」のうち、
私が正解できたのは5問(最初の12問では4問)でした。
最初の12問の正解率は33.3%で、著者によれば、私はチンパンジー並みということになります。
本書では、事実に基づいて正しく世界を見ることができない理由としての「10の本能」と、
この本能を抑えるための「ファクトフルネスの大まかなルール」が解説されています。
それを簡単にまとめると、次のような内容でした。
① 分断本能~「世界は分断されている」という思い込み
→大半の人がどこにいるかを探そう
② ネガティブ本能~「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
→悪いニュースのほうが広まりやすいと覚えておこう
③ 直線本能~「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
→直線もいつかは曲がることを知ろう
④ 恐怖本能~危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
→リスクを計算しよう
⑤ 過大視本能~「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
→数字を比較しよう
⑥ パターン化本能~「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
→分類を疑おう
⑦ 宿命本能~「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
→ゆっくりした変化でも変化していることを心に留めよう
⑧ 単純化本能~「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
→ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
⑨ 犯人捜し本能~「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
→誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
⑩ 焦り本能~「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
→小さな一歩を重ねよう
訳者の一人、関美和さんは、本書が世の中に残る一冊になるだろうと考える理由として、
本書の教えが「世界の姿」だけではなく、知識不足で傲慢な自分、誰かを責めたくなってしまう自分など、
「自分の姿」を見せてくれるから、と述べられていました。
私の場合は、「世界の姿」だけでなく、「自分の姿」も見えていないのでしょうね、きっと‥‥。
「いまある世界を正しく認識できなければ、社会問題を解決することも、未来を予測することも、
危機に対応することもできないでしょう。」という訳者の言葉が、強く印象に残っています。