しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「談論風発」が大切

昨日5日の愛媛新聞「現論」に、長谷川眞理子総合研究大学院大学長が、

『おとなしい日本の子ども~議論で社会に活力を』というタイトルの、

ちょっと気になる、次のような論評を寄稿されていました。


『日本の子どもたちはおとなしい。保育園児のような小さい子どもも、思春期の中学生たちも、

 ともかくおとなしいと感じる。誰と比べてかというと、欧米の子どもたちだ。

 おとなしいとは、よく大人の言うことを聞くので制御しやすいという意味である。

         ~ (中略) ~

 日本財団が行っている18歳意識調査というものがある。その2019年の調査結果を見てほしい。

 インド、インドネシア、韓国、中国、ベトナム、米国、英国と日本の18歳前後の若者、

 それぞれ千人に対して、国や社会に対する意識を調査したものだ。

 自分を大人だと思うか、自分は責任ある社会の一員だと思うか、将来の夢はあるか、などなど全項目で、

 日本は最低の数値である。それも、かなり水をあけられての最低なのである。

 「自分の国に解決したい社会課題があるか」という問いに「ある」と答えた日本の若者は、

 46.4%で半分に満たない。他の国々はほぼ70%以上だ。

 ドイツの66.2%が低いが、それでも日本との開きは大きい。

 「社会課題について家族や友人など周りの人と積極的に議論しているか」という質問では、

 イエスと答えた日本人はたった27.2%なのだ。

 他の国々はだいたい70~80%。一番少ないのが韓国の55%だが、日本はそのまた半分にすぎない。

 つまり、大学のゼミばかりではなく、どこでもあまり議論していないのだ。

 これは、大変よくない状況ではないか。まずは立場や意見の違いを大前提にし、意見を言い合う。

 ときにはけんかにもなるのだが、それを乗り越えて、より良い社会を築いていくのが、

 個人の幸せのためでも、社会の活力のためでもあると思うのだが。』


う~む、なるほど‥‥。

個人の幸せのためにも、社会の活力のためにも、「談論風発」が大切なのですね‥‥。

ちなみに、長谷川先生は、日本人の子どもがよく言うことを聞くのは、

「保育園のときからのしつけのたまものに違いない」と指摘されていました。


まぁ、そうは言っても、「負の面」がある一方で、

たとえば、新型コロナウイルスの感染者数が、人口比でも他の国々に比べて少ないのは、

子どもの頃からしつけられた、公衆衛生上のマナーによるところが大きいのではないか、

と思ったりもします。

よく言うことを聞く「おとなしい日本の子ども」の、「正の面」もあるのではないでしょうか‥?